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創業以来、地域と農家と支え合う薬草栽培。
薬草と健康をつなぐ「株式会社ゼンヤクノー」にストーリを聞く。

株式会社ゼンヤクノーは鳥取市で薬草植物を使用した50種類以上の健康茶を製造している会社です。

地元鳥取県の農家さんが栽培した、はとむぎ、カワラケツメイ、黒大豆、刀豆、赤しそなどの薬草を使った健康茶も製造しています。
子供からお年寄りまで毎日の生活に欠かせない「お茶」。
多様なニーズに応え、安全・安心なお茶をお届けしている株式会社ゼンヤクノーの代表取締役 森下慎太郎さんにお話しを伺いました。

薬草の付加価値を高めるために始めたのが健康茶の製造

ミセミル JOB
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こんにちは。
「ゼンヤクノー」創業のキッカケを教えてください。

昭和22年、先代の森下徳衛がカモミールなどの薬草栽培を始めたことがキッカケでゼンヤクノーはスタートしました。
薬草の作り方を農家さんに指導して栽培したものを集めて、薬草問屋へ販売することが最初のビスネスモデルでした。

しかし、集めた薬草に納得のいく値が付かない事も多く、そこで考えたのが、薬草に付加価値をつけるため、薬草を加工して健康茶として販売しました。

最初は神社で出店販売したり、百貨店の催事で販売したり、そこから徐々に全国各地のお茶の問屋さんを通してスーパーマーケットにお茶を卸すようになりました。

その後、平成2年に社号を「株式会社ゼンヤクノー」に変更し、平成10年には通販部門「森下薬農園」を発足しました。

▲穏やかな印象の3代目にあたる森下社長

地元農家の方と一緒に作っていく健康茶

ミセミル JOB
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ゼンヤクノーならではの強みを教えてください。

1つは生産者さんとのつながりですかね。
他社では原料をメーカーから買って自社で加工するスタイルが多い中、弊社の場合は地元地域の生産者さんから原料を買っています。それもただ買うだけでなく、栽培するところから一緒になってやっています。

2つ目は、平成29年に工場が国際規格のFSSC22000の認証取得を受けました。品質・衛生面がしっかりできているところが他社にない強みだと思います。

3つ目は、40年以上の実績からなる加工技術と美味しさで勝負できる。
原料を焙煎したときの色を数値で測ったり、お茶を抽出したときにどれだけの濃度ができているのかなどの細かい検査を各工程ごとにしている会社は数少ないと思います。

▲FSSC22000は日本の食品製造業の3%未満(日本取得件数:1,212件/2019年1月30日現在)しか取得していない厳しい国際規格

鳥取での薬草栽培への社長の思い

はと麦に関しては全国的に原料が足りないのが現状です。
そんな中、近年、米の転作奨励金も廃止となり、米の代わりに売り先のたくさんあるはと麦を作るようにゼンヤクノーとしても農家さんをサポートしています。

ここ2~3年は栽培技術の向上に力を入れていて、新規ではと麦を栽培される方向けに種を撒く研修会を開いたり、年に2~3回は、全国ハトムギ生産技術協議会の手塚会長にも来ていただき、鳥取の農家さんのそれぞれの畑にみんなで見に行き、問題点などを話し合って、次の年にどう生かしていくか、みんなで考えています。
そういった成果もあり、早い時期に種を撒いたほうが収穫量が多いことが結果としてでたので、今年は5月中には種まきを終えるようになりました。
このように、はと麦に関しては、県・生産者さん・JA鳥取いなば・ゼンヤクノーがしっかり連携して動いています。

世界基準の安全安心と生産農家の収入アップへの思い

ここ2~3年前から始めたんですが、農家さんには今まではゼンヤクノーが使う原料だけを作っていただいていましたが、それ以上に作りたい方にはどんどん作っていただき、すべて納めていただいています。

こちらで使う原料以外は、弊社で原料として県外に販売しています。

そのために、原料を選別・異物除去する設備も整えました。

こういったことをすることにより生産者さんの収入が上がり、耕作放棄地の抑制にもつながっています。

米の価格はどんどん下落していっている中、お米に代わる何かを作ろうと思ったとき、はと麦などを作る事ができ、耕作放棄地も減り、収入も増やせるので、そういったことで生産者さんや地域に貢献できていると思います。

今後はGAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理/GLOB
ALG.A.P/ASIA GAP/JGAP)にも、5年~10年をかけて、生産者さんにも認証取得していただきたいと思っています。

ミセミル JOB
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海外輸出も視野に入れているからですか?

それもありますが、2020年東京オリンピックの選手村で日本農作物がほぼ使えないことが大きな理由です。
GAP認証取得した農家さんの農作物しか使えないので、日本の農作物はほぼ使えないのが現状です。

日本の農業を支えていこうと思ったら、海外輸出も視野に入れていかないといけないし、そうなると世界基準の安全、安心が必要になってくると思います。

段取りが大切、工場は3部門構成に

ミセミル JOB
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工場内の仕事について教えてください。

工場は、3部門セクションが分かれています。
原料加工部門の人は入荷した原料の一次加工をします。
料理で言ったら下ごしらえです。切ったり、洗ったり、焙煎したりとか、粉砕したりします。

ティーバッグ加工部門の人は一次加工されたものを平型、三角のティーバッグに詰める作業です。

最後のセクションは、それを包装資材に詰めて、段ボールに詰めて出荷できる状態にする。

段取りが一番なので、セクションを別けて、仕事をしています。

定時が8時20分から5時20分で残業はほとんどありません。


工場内は約20名で各セクションに配属されています。
ミセミル JOB
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この仕事の面白い所を教えてください。

昔務めていたOA機器の販売代理店は完成したものを売る会社でした。

でも今の会社は自分たちが売りたいもの、どういった先に売りたいかを考えて物が作れるので、やっぱりそういった所は面白い所ですよね。
売りたいものを自分たちの手で一から作ることができる所が一番面白い。
受託製造がメインで、自社商品の売り上げは2割~3割、後はお客様ブランドの商品をお客様と一緒に作らせていただいています。


▲東京で4年半OA機器の販売代理店の営業をされていました。
ミセミル JOB
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この仕事にどんな人がむいていますか?

しっかり自分で仮説を立てて、疑問点を一回分解して考えていけるような人はすごく向いていると思う。

製造業になるのでいろんな数字があるんです。
日報だったら、生産数・不良数・その日の温度・湿度・気温・時間など。
その数字をただ日報にどんどん記録はしてるんですけど、その数字を見て自分の中にインプットして、そのインプットをどういった形でアウトプットしPDCAをしっかりまわしていき、相関関係を見て楽しいなと思える人は向いていると思う。

鳥取スピード、鳥取感覚で仕事をしない!

工場は鳥取ですが、取引先はほとんどが県外(主に、首都圏・中京圏・関西圏)なんです。
ということは、どこに感覚を合わせないといけないかというと県外ですよね。

ゼンヤクノーの商品は地元鳥取のスーパーやドラッグストアにもありますし、県外の分かりやすい所で言ったら、成城石井とか、Precce、クイーンズ伊勢丹などで販売しています。

社員全員にタブレット支給など、会社としてのルール化を

会社の体制としては、社内のチャットツールとしてチャットワークを使用しています。工場スタッフには全員にタブレットを支給しています。

タブレットは家に持ち帰っていいのでユーチューブを見たり、アプリやゲームをダウンロードしたり、旅行先で写真を撮ったりする従業員もいます。

家に持って帰っていい理由は、使い方をどんどん自分で学んでほしかったんです。

タブレットのチャットワークで、毎日の会社の売り上げ情報や、会議の内容やクレーム内容など、それぞれのグループを作って活用しています。

少しづつルール化を会社でするようにしています。
新規で取引があっても営業が単独で進めるのではなく、今はお客様の情報をしっかり把握し各セクションを通して、稟議・決裁しないと物事を動かせないようにしています。
組織として権限と責任をどんどん、従業員に移譲していきたいと思っています。

後、残業がほとんどありません。

女性が多い職場でもあり、小さいお子さんがおられる方も多く、保育園も6時を過ぎると延長料金が発生するので、その当たりは残業なしで帰ってもらっています。

パートさんの中には、3時までには子供が帰ってくるのでそれまでには家に帰りたいという方や、朝は送りがあるので9時から出社が良いという方もおられます。

平成30年には「鳥取県男女共同参画推進企業」・「鳥取県輝く女性活躍パワーアップ企業」に登録されました。

会社としての姿勢とメッセージ

ミセミル JOB
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最後にメッセージをお願いします。

会社は鳥取にあるんですけど、全国で戦っていけるような考え方やスキルは習得できると思います。
働くのは鳥取だけど、いろんな県の方とやり取りしたりだとか、自分を成長させたいとか思っている方に来ていただけるとありがたいなと思います。

社員さんにもインタビューしてみました


▲入社歴1年:営業の山根さん(左) ▲入社歴2か月:営業サポートの上野さん(右) 

続いて営業の山根さん、営業サポートの上野さんにもインタビューしてみました。
お二人とも快くインタビューに答えてくださいました。

ミセミル JOB
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この会社を選んだ理由を教えてください。

山根さん:もともと大阪で仕事をしていました。結婚と退職が同時期で、結婚が決まって鳥取に来ました。
その時、知人にゼンヤクノーっていう良い会社があるよと紹介してもらいました。  

ミセミル JOB
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前職はお茶関係の仕事でしたか?

山根さん:お茶ではないですが、食品の素材を扱う仕事をしていて、食品の会社を希望していたところ、人づてに紹介してもらいました。
食品の会社が鳥取は少なくて、こちらだったら、全国相手に色々な商品を扱っているというので紹介を受けていいなと思いきました。

ミセミル JOB
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こちらの会社で自慢できる所を教えてください

山根さん:私は営業ですが、普段は事務所内でお茶の開発をしたり、お客さんと電話やメールのやり取りをしたりして、「営業に行く=出張に行く」感じなので、生活の基盤は田舎でありつつ、働く相手は都会になります。
また原料から商品化まで全てに携われるところ、自社の商品に誇りを持って売りたいと思えるところがすごく魅力的だなと思ってます。
出張は主に東京が多く、多い時は1か月に3回行くときもあります。
一回の営業で3日くらい出張して、一日に3~4件お客様を回ります。10件くらい回って帰ってきます。
事務所にいる間は基本的に残業なく帰っているので今後子供を産み、育てるには理想的で自慢できると思います。

上野さん:子供が二人いるので保育園の行事や、急に熱が出ることもあるので、そういったことを面接のときに話した時に、社長がそういうのはうちは全然、休んでもらったらいいですよ、と言われたので気が楽になりました。残業もないのもありがたいです。

営業サポート上野さんのとある一日

08:00  出社:始業前に、掃除をします。
08:20  始業:午前中は出荷作業がメインなので、岩美の倉庫へ
12:00  休憩
13:00  営業のサポート業務
     新商品の開発のサポート、アマゾンなどへの商品登録、配達集金など 
17:20  退社 

ミセミル JOB
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この仕事のやりがいを教えてください

山根さん:前の会社でも食品の営業で同じことをしているはずなんですが、今の会社の方が各段に川下から川上まで全部を網羅できてすごくやりがいを感じています。

農家さんに栽培指導でお願いに行くこともあれば、自分達でお茶の配合もブレンドして、美味しいと思った商品を作り、デザインのパッケージや値段も決めて、お客さんの所にも行くことができ、最初から最後までできるので、そこはすごくやりがいを感じています。
社長も間違っていいからまずは自分でやってみてと仕事を振ってくれるので、自分がこうしたいという気持ちを伝えたうえで、話ができるのでそこがとても楽しいです。

会社データ

社名:株式会社ゼンヤクノー
代表取締役社長 森下慎太郎
所在地:〒680-0905 鳥取市賀露町4001
連絡先:0857-28-2521
通販部門「森下薬農園」通販サイト:https://www.8930.co.jp/

 

※インタビュー日 2019/5/10 時点の情報です。
※応募や求人募集については直接お問い合わせください。