平成30年11月に鳥取市行徳にオープンした「あぶり屋食堂」は、新鮮な日本海の魚をリーズナブルな価格で食べられる定食屋さんです。
建具屋だった建物をリノベーションされた店内は、木の暖かさと、どこか懐かしいレトロな雰囲気と同時に新しさも味わえる、ゆったりとした素敵な空間でした。
あぶり屋食堂がオープンした経緯や今後の展望などを昭和16年より魚問屋を営んでおられる有限会社井上勝義商店、代表取締役の吉川紘平さんとあぶり屋食堂のスタッフの方にお話しを伺いました。
皆さん、急なインタビューにも、笑顔で答えていただきました。
広いスペースを活かしたイベントやワークショップも展開
井上勝義商店が経営するあぶり屋食堂は、鳥取市末広温泉町にある居酒屋「あぶり屋」の2号店として2018年11月にオープンしました。
居酒屋あぶり屋はカウンターとボックス席が2つあり、収容人数は20人ほどのお店ですが、「あぶり屋食堂」はゆったりと広いスペースで40人は収容できます。
ランチ時はゆっくり新鮮な魚料理を食べていただき、夜は新鮮な魚と一緒にお酒も飲んでいただけます。
使用する魚介は、井上勝義商店から卸していますので、お客様には新鮮な魚をリーズナブルな価格で提供させていただいています。
この広いスペースを活用して、今は月1回のペースでイベントも開催しています。
7月はマグロの解体ショーや牡蠣の食べ放題&飲み放題などのイベントで楽しんでいただきました。
婚活の会や、日本酒の会なども開催してきました。
今後もこの広いスペースを多目的な場所として活用していきたいと思い、色々と考えています。
今考えているのは、様々な企業の方に集まっていただき、ここで企業の求人説明会を開き、求職者側には飲食代無料で招待するような事も考えています。
企業側にはどんな企業か知ってもらえ、求職者側はどんどん質問できる場となればと考えています。
講演会や忘年会などでも20人以上なら貸し切りできますので、どんどん使っていただけたらと思っています。
基本、スタッフは昼も夜も2名体制です。
飲み放題の場合、サーバーもお客様で自由に使っていただいており、ドリンクのおかわり等もお客様で自由にしてもらうスタイルとなっております。
スタッフの人数が少ない分、新鮮な魚やお酒をお手頃価格で提供させていただいております。
魚屋として働く中で何か環境を変えたい思いから
昭和16年に創業して以来、井上勝義商店は新鮮な日本海の魚を中心に海産物全般を取り扱っています。
「あぶり屋」2店舗を立ち上げたきっかけは、友人と近所の土手でお酒を飲みながら、将来の事などを話していた時なんです。
僕はあまり向上心がある方ではありませんが、当時、環境を変えたいという気持ちが強く、友人との話の中で1件お店をやってみようという流れになりました。
総合的な居酒屋でなく、魚をメインとした居酒屋なので、井上商店から食材を仕入れることができ、無理な負担もなく店を始める事ができるだろうという思いから最初に始めたのが、「居酒屋あぶり屋」でした。
ありがたい事にお店も繁盛し、忙しくしていた時に不動産屋から、今のあぶり屋食堂の土地を紹介されました。
ここは、食堂の前は建具屋だったんですよ。
建具屋をリノベーションして飲食店をするお話をいただき、少し大きい所でやってみるのも面白いかもという思いで始めたのがキッカケでした。
飲食店のルールにとらわれない違う路線でやりたい
実は、差別化をどんどん考えている所です!
行徳に店舗を出したのも差別化の一つです。
飲食店と言ったら、一番に弥生町を考えると思いますが、それだと面白くないし、行徳に人の流れが来てどんどん活気づいたらいいなという思いですね。
駅や弥生町から少し離れているので、タクシーの領収書を提示していただいたら、片道のワンメーター料金は飲食代から引かせていただいています。
その他、テクアウトもしていますし、オードブルの配達等も行っています。
お客様のニーズに少しでも答えたい思いで、その当りは柔軟に対応しています。
うちは決まった飲食店のルールにとらわれない気軽な感じでやっています。
他のお店と競合するというよりかは、違う路線でやっていきたいと思っています。
スタッフを信頼しているから自由に任せています。
僕自身は井上勝義商店で魚屋の仕事をメインとして働いています。
もちろんある程度のオペレーションはしていますが、基本的にはあぶり屋食堂に関しては、スタッフに任せています。
僕は事細かに色々言わないので、その時々にちゃんと対応できるように、ある程度のコミュニケーション能力と常識は持っていてもらいたいですね。
言われたことだけをするのっておもしろくないと思うんです。
自分で考えて色々事を進める方が面白いと思うので、あまりスタッフには事細かく指示を出さず、自分達で考えてやってもらっています。
僕の考えがすべてだとも思わないので、ある程度自由にやってもらっています。
主に厨房での調理と接客の両方をしてもらいます。
調理に関しては、井上商店で下準備したものを納品する時もありますが、基本は店で下準備からしています。
大丈夫です。
仕事をする中で、少しずつできるようになると思います。
今いるスタッフの中にも、魚の種類も分からないスタッフもいましたよ。笑
その時も最初は、井上商店でおろした魚を納品し、提供していました。
そんなスタッフも今では自分で魚をさばいて、調理しています。
旅館や料亭とは違いますので、そのあたりは、お手頃価格で新鮮な魚を提供させていただいています。
志があれば、失敗したときに次がある
誰にでもできるできないはあると思うんです。みんなが完璧にできるわけでもないと思うので・・・。
ですから失敗する事もあると思いますが、日々志をもって仕事をしたいと思っています。
志があれば、失敗しても次につなげる事ができると思います。
志がないとなんとなくで仕事をして、失敗しても次につなげることができず、また同じ失敗をすると思うんです。
熱もなく、なんとなく仕事をしていると毎日本当につらいと思うので、志を持って仕事をしたいし、スタッフにも持ってほしいと思っています。
イベントにたくさんの方が来てくれる事がやりがい
マグロの解体ショーなどのイベントで、たくさんのお客様に来ていただき、楽しんでいただき、結果が数字で表れた時にやりがいを感じます。
それが次のイベントへの活力にもなります。
うちのスタッフは営業熱心でイベントの宣伝もがんばってくれるんです。
僕はこの仕事が面白くて、天職だという感覚で仕事をしていません。
僕自身がそういう仕事だと、メリハリを上手につけることができないんです。
やらないといけない仕事だから、切り替えてきっちり仕事をしている。
僕はそれくらいの切り替えがあるから、メリハリを持って仕事を頑張れています。
未経験者でもOK!大切なのはコミュニケーション力
未経験者でも全然問題ありませんので、人と話をするのが好きで、明るい方がいいと思います。
人に好かれたり、興味を持たれるような人はいいですよね。
魚好きな人や野心のある人が向いていると思います。
接客だけでなく調理もあるので、指示されないと動けない方よりかは、自分で考えて動ける方が向いていると思ます。
この先、料理人として仕事をやっていきたい方も向いていると思います。
調理と接客どちらもありますので、てきぱきと動ける方が良いと思います。
特に必要ありませんが、利き酒師、日本酒ソムリエや焼酎ソムリエなどの資格を持っていたら、お客さんとの会話も弾むと思います。
みんな仲良くやっていますよ。
基本お店は2名体制ですが、イベントなどの時は3人体制になる時もあります。
今は6名の女性スタッフが働いています。
18歳~50代まで幅広い年齢のスタッフが働いています。
中でも40~50代のスタッフが多いです。
シフトに関しては自分達で決めてもらってます。
ある程度曜日を固定してシフトを決めていますが、都合の悪い日は自分達でシフトを交代して調整しています。
自分の色が出せる職場
魚の種類に詳しくなれたり、さばいたり・煮つけたりと魚料理が上達できると思います。
味付けに関して、マニュアルはないですが、今いる先輩スタッフが一から教えますので安心してください。
特に決められたマニュアルがないので、主婦や料理好きな方は自分の色が出せるので、楽しい職場だと思います。
無理のないように働ける店だと思いますので、気軽に働いてもらえると思います。
ある程度の自由度はありますので、自分の志を持って入ってこないと、なかなか自分の居場所を見つけれないかもしれませんが、みんな優しいスタッフばかりなのでフォローはしっかりしますので安心して働けると思います。
僕も働いてもらうからには、その人の将来や生活を全部みていく覚悟はあります。
例えば、今以上に1ヵ月の給料が欲しいとなれば、僕はその人に合った仕事を用意するので、そのあたりは、どんどん相談してもらったらいいと思います。
損のないようにさせていただきますので、安心して入ってきてもらいたいです。
お金だけでない何かを得てもらえたらなと思います。
パートから社員になりたいということであれば応援しようと思います。
ただ社員となると、食堂だけでなく、井上商店の魚屋の仕事もしてもらう事にはなるので覚悟はいると思いますが、その人に合った働き方を応援させていただきます。
社員さんにも職場について聞いてみました!
今回は、2名のスタッフさんにお話しを伺う事ができました。
1人目はオープンから働いておられる松村香哉さんです。
調理・接客をされています。
仕事を探しているときに、知り合いから紹介していただきました。
前職も飲食店で勤務していたので、こちらで働く事を決めました。
スタッフが皆仲が良いので働きやすいです。
お客様と接する機会が多い仕事なので、お客様に対しての接し方、言葉遣いなどを丁寧にするように心がけています。
勤務は基本的にお昼の営業時間に勤務しています。イベント等があれば夜も勤務することもあります。
仕事内容は、厨房も接客も両方しています。
10:00 出勤
開店準備(床掃除・テーブル拭き・掃除・旗出し等)
料理の下準備(ご飯を炊く・お味噌汁を作る・今日の魚の確認・魚の下ごしらえ)
11:00 OPEN 厨房での料理・お客様のオーダー・レジ等
14:00 お昼の営業終了
片付け・夜の予約次第では、夜の料理の下準備をすることもあります。
お客様やスタッフから褒められたり、「ありがとう」と言っていただけると、とてもうれしく思い、もっと頑張ろうと思います。
スタッフは今私を含め6人ですが、スタッフ皆仲が良く、働きやすい職場だと思いますので、
ぜひ一緒に働きましょう。
二人目はこちらで働いて3ヶ月の村上有紀さんです。
調理サポートと接客のお仕事をされています。
前職も飲食店で働いていた経験もありましたので、飲食店での仕事を探していた所、こちらは家からも近く、勤務時間も自分にピッタリだと思い、応募しました。
一番は働きやすい所です。
スタッフ皆、本当に仲が良く、とても働きやすいです。
お客様をお待たせしないように、なるべく早く、食事を提供する事を心がけています。
温かいお食事は温かいうちに、美味しく食べていただきたいです。
挨拶は笑顔で元気よくするように心がけています。
お客様から直接美味しかったよと言っていただける時にやりがいを感じます。
スタッフのみんなの仲が良く、働きやすい職場だと思うので、ぜひ一緒に頑張りましょう。
今回、吉川社長にインタビューをさせていただいた中で「他の飲食店とは違う路線でやっていきたい」という吉川社長の言葉が一番印象的でした。
飲食店のルールにとらわれず、自分達のやり方でどんどんお店を盛り上げておられるのがお話しの中で見えました。
中でもタクシーワンメーター料金を飲食代から引くサービスは私が飲食業で初めて聞いたサービスでした。
イベント・テイクアウト・配達・オードブルもできる限りのお客様のニーズに答えたいという社長の思いを感じました。
インタビューをさせていただいたスタッフさんも明るく、「皆、仲が良く働きやすい」と二人とも言っておられて、本当に働きやすい環境なんだと思いました。
調理の仕事が未経験の方も、調理に自信のある方も、自分の色を出せ、その人に合った働き方のできる職場だと思います。
歴史ある魚問屋の経営する新しい形の飲食店であなたも働いてみませんか。
社名:有限会社井上勝義商店 あぶり屋食堂
代表:吉川紘平
所在地:〒680-0824 鳥取県鳥取市行徳1丁目401
連絡先:電話 0857-51-1877
事業内容:飲食事業
※2019.7.26時点の情報です。