「お食事処 かに大陸」の原点は ”移動販売”！時代のニーズに合ったサービスへと変化し続ける有限会社藪中商店にストーリーを聞く

日本海の豊かな海の幸が水揚げされる鳥取賀露港の近く、わったいなの道を挟んでスグ隣にある新鮮な魚介料理をふるまうお店「お食事処 かに大陸」

2001年にオープンしたこともあり、外観も店内もとてもきれいで広々としています。

今回は代表取締役 藪中　勇さんにお食事処 かに大陸の開業までの経緯、そして料理人としてのお客様に対する想い、仕事に対する考えなどをお聞きしました。
とても気さくな藪中さんで、スタッフも家族のように大切にされているのが伝わり、とても働きやすい環境であることがわかりました。

　

お食事処かに大陸の始まりは魚へのアツイ想いから

もともと祖母が魚の行商をしておりまして、そこから父が藪中商店として直売店やスーパー、行商人や商売人の方に魚を卸していました。時代の流れによって特に若い方が魚を食べなくなったと感じ、もっと皆さんに魚を食べて欲しいと思い、先代の父が2001年にお食事処かに大陸をオープンさせました。

最初はやはり魚販売の方が圧倒的に忙しかったのですが、現在はかに大陸と魚販売で半々くらいのウエイトになりました。
といいますのも、かに大陸を４年半前に移転しお店の規模も大きくなった分、お客さんもより増えておかげさまで売上が増えたんです。
それと、以前は地元のスーパーさんや個人店や行商さんなどがあったのですが、今は店を閉められるとこも多くなり、魚の販売自体の売上が減少傾向なのも一因です。

鳥取の若い方に、もっと魚を食べて欲しい

それにご自宅で魚を調理することが少なくなっていますね。魚の処理やゴミの臭いなどから、切り身にしてほしいというお客様も昔に比べて増えました。
その上、特に鳥取の若い方たちは魚を買うことや食べに行くことも少ないと思うんです。実際、かに大陸のお客様の多くは50代以上もしくは県外の方です。
魚が当たり前にあるものだからなんでしょうか。私は県外の方と同じように、鳥取の若い方たちにももっと魚を食べてもらいたいと思っているのですが、なかなか難しいですね。
魚自体の名前も知らなかったり、イワシとサバの違いが分からなかったりとかもありますし（笑）

以前は父が魚販売、私がかに大陸、というふうに分けて仕事をしていたのですが、今はどちらも私がしています。

仲買人として競りで魚やカニなどを仕入れ、新鮮な魚介をお店で提供しています。
それから自家製の干物を魚屋やとっとり市（鳥取市が運営する通販サイト）などでも販売していますし、かに大陸で提供する魚のぬか漬け（通称へしこ）も自分で漬けています。

仲買人と料理人の両立でお客様へ最大限のサービスを提供

自分の目で見て、色々な良い魚介を仕入れることができ、それを新鮮なうちにリーズナブルに提供できることは、お客様にとって嬉しいポイントでしょうか。

料理の盛りつけも食べることのできないものはあまり使わず、魚介そのものを重視しているので、魚介好きの方には本当に喜んでいただけると思います。

新鮮でリーズナブル！珍しい魚との出会いもあるかも？

あとは季節に応じて少量でも珍しい魚介を提供することもあるので、お客様にとっても「今日は変わったものがあるな」と新しい発見にもなればいいかなと思っています。

また、お店の規模を大きくすると出来合いの使用が増えることもありますが、かに大陸はおふくろの味を大事に考えています。漬物や小鉢料理なども出来合いは使用せず、自分たちで作っています。

飲食店をしていて嬉しいことって、お客様からの「美味しかったよ」とか「また来るね」という言葉で、こういうことをおっしゃっていただいた時なんかは、どんなに忙しくても「あー、やっていて良かったな」と思えるんですよね。

従業員の方のお仕事の流れ

かに大陸では主に厨房と接客に分かれています。

難しいと思われがちなレジ業務も、オーダー時に自動集計されるシステムで、会計も自動計算。おおむね何度かすれば誰でもできる簡単なものです。

主婦や学生さんにとって働きやすい環境づくり

基本的には１ヶ月分のシフトを貼り出しますが、個々に合わせて１週間単位で調整もしています。LINEで希望を聞いたりしているので、シフト変更なども融通ききます。
お子さんがいらっしゃる方だと、急な発熱や学校行事などで休むことも出てきたりはしますが、そこも柔軟に対応します。もちろん学生さんに対しても、学業やプライベートに合わせてシフト調整も行っています。ありがたいことにみなさん協力的なので助け合っています。

友達や兄弟の紹介で働いている方もいらっしゃいますし、友達と一緒に働きたいという方も歓迎しています。ぜひたくさんの方に応募していただきたいです。

次につながる失敗は何度でも大丈夫！素直で向上心があることが大事

経験者、未経験者、どちらでも失敗するのは当たり前。何度失敗してもいいので、その失敗から学び次へつなげる努力をしてくれる方であれば、こちらも教えがいがあります。
未経験であっても、仕事に慣れるまではベテランスタッフが一緒に１つ１つ教えていくので安心していただけたらと思います。資格やスキルではなく、素直で向上心をもって仕事に取り組んでくれる方であれば大歓迎です。

料理人を目指したいといった方も大歓迎

うちのやり方ではありますが、野菜の切り方から魚のさばき方、出汁のとり方や料理の味付けの仕方など、色々と教えていきます。包丁を使ったことのない方でも、やる気がある方であれば大丈夫です。

働いてくれる人はみんな仲間、もちろん頑張る人には評価をしたい

時給は入りたての時と仕事を覚えた時と変えています。せっかく来ていただいて一緒に働いてくれる仲間なので、かに大陸に勤めてよかったなと思えるように努めています。
その日の具合にもよりますし、たまにではありますが、魚などのお土産を持ち帰っていただくこともあります。
やっぱり頑張ってくれる方は評価したいと思っていますので、何かしら還元できるようにしていますね。

スタッフさんに色々聞いてみた

今回は、かに大陸に勤めるまでは専業主婦で接客未経験だったＹさんにお話を伺いました。接客スタッフとして勤めて早２年、カニのシーズンは３回目となるベテランのスタッフさんです。

小学生の子どもがいますので、お休みや早上がりさせていただきたい時もありますが、そんな時は十分満足できるほどにサポートしていただいて、むしろこちらが無理をお願いしていることも多いです。
今まで接客業などもしたことなかったので失敗も多々あり日々勉強中なのですが、それでも「大丈夫だで」なんて声をかけていただけるのでとても安心して働けています。
朝も１０時出勤なので、家事などを終え余裕を持って出勤できるのもいい点です。家族のように融通を利かせてくれ、優しくしていただいていますので、子育て中の方でも安心して働ける環境だと思います。

カニの時期は県外のお客様も多いので「どこからおいでになられたんですか？」など明るく話しかけたり、お客様に応じては必要最低限のこと以外は話しかけないようにしたり、とお客様ひとりひとりに寄り添った接客を心がけています。
外国の方もいらっしゃるので、英語や中国語などの外国語メニューも準備していますが、それでも足りない場合はジェスチャーをしたり、絵を描いたり、それでもダメならスマホアプリを使ったりと、奥様と一緒に協力して対応しています。
やはり高いものを召し上がっていらっしゃるので、ご満足いただけるように明るい接客を心がけています。

かに大陸に来るといろんな方と接することができますし、色々な情報が入ります。魚の勉強ももちろんですが、色々な情報が入ることが楽しく、やりがいにつながっています。

代表取締役　藪中さんよりメッセージ

経験や資格は無くて大丈夫ですので、やる気のある方に来ていただきたいです。
ぜひ一緒に頑張っていきましょう！

 

 

※インタビュー日　2019/2/6 時点の情報です。
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