平成28年7月に創業した「訪問介護事業所 松のねっこ」さんは訪問介護と介護タクシーのお仕事をされてます。
事業所は鳥取市の大覚寺と国府町にあり、鳥取市内を中心に利用者様のお宅を訪問し、個人のニーズに合わせた介護支援を行っています。
高齢化社会で介護施設が足りていない現状の中、訪問介護の需要はこれから先ますます高まっていくと思われます。
訪問介護の仕事はどんな事をするの?
必要な資格はあるの?
など訪問介護の仕事と介護施設との違いなどについて代表の松山哲平さん、介護福祉士の茗荷朋子さん、福田由美子さん、田中道雄さんにお話しを伺いました。
介護だけでなく、家事代行も行うスペシャリスト
大覚寺と国府に訪問介護の事業所があります。
訪問介護の支援は要介護1~5、要支援1~2の認定を受けた方に、ケアマネージャーの作成したケアプランに基づいた「家事援助・身体介護・介護タクシーを利用した送迎」を行っています。
1人1人の能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように援助を行っています。
その他、介護保険ではできない部分の家事代行も実費サービスで行っています。
介護保険では庭の草むしりや、家の大掃除など、直接利用者様の介護に該当しない部分はできないんです。
調理もそうです。利用者様以外の食事を作る事も介護保険ではできない部分となっております。
そういった部分を実費サービスとして、ヘルパーが利用者様のために行っています。
利用者様のためにどうにかしたい思いからの開業
以前勤めていた訪問介護の事業所が閉鎖となり、その事業所を利用されていた利用者様の残念そうな表情を見て、どうにかならないかと思ったのがきっかけでした。
その思いで会社を立ち上げ、以前の事業所からも何人か職員さんが来てくださったのもあり、残っている利用者様を引き継ぐ事ができました。
「松のねっこ」のネーミングは、「根強くやっていきたい」、「根を張らしていきたい」という思いから、ヘルパーとも相談して、この名前に決めました。
平成28年の7月に大覚寺の事業所を開業し、平成31年4月には国府の事業所を開業しました。
今後も事業所を展開していきたいと思っています。
一番の強みは職員、学ぶ環境はバッチリです
まずは介護タクシーが3台あることです。
基本的には自分達の利用者様しか受けていません。
送迎がスムーズに行くように、利用者様に負担がかからないように、そういう部分で介護タクシーを取り入れました。
そして一番の強みは職員です。うちの職員達、本当にすごいんです!
長年の実績やそういった強みの部分に魅力を感じ、若い職員を育てたいという思いから、私がお願いして、この事業所で働いてもらっています。
こんなスペシャリストばかりなので、未経験者の方でもいろいろな事が学べると思います。学ぶ環境は整っていると思います。
私自身、この事務所をもっとよくしていきたいという思いが強く、そういった経験豊富な人材を集める事により、若い職員達が良い人材に育ってくれる事が望みです。
人と人との繋がりを大切に。今後は色々な方が集まれる場所(村)を作りたい
今後の展開としては、やはり在宅支援を中心に考え、訪問介護だけでなく、訪問介護のヘルパー目線で展開できる、デイサービスなどの施設を作りたいんです。
その他、介護保険だけでなく他の分野でも何かできないかと、色々考えている所です。
まだ固まっていませんが、介護が終わった方をボランティアとして受け入れるような場所を作りたいと思っています。
奥さんの介護をしていた旦那さんが奥さんが亡くなられた後にする事が無くなってしまう、そういう方を何人か見てきたので、そういう方をボランティアとして受け入れる環境ができたらいいなあと考えています。
利用者様だけでなく、いろんな方が集まれる場所を作ることが最終的な目標ですかね。
本当は村を作りたいっていうのが私の最終的な目標なんです。
もちろん一人ではできないので、そのために色々な方との関わりを持って行きたいと思っていますし、私たちの活動や想いに共感してくれる方をどんどんスタッフとして募集していきたいです。
利用者様の豊な暮らしのための自立支援を目標に。
訪問介護の仕事は、自宅で暮らす要介護者の生活を援助する仕事になります。
約束の時間に利用者様の自宅を訪問して、利用者様それぞれの介護サービスを行います。
仕事内容は大きく分けると3つになります。
●家事援助
調理・洗濯・掃除などの家事の援助になります。
●身体介護
入浴・排泄の介助・おむつ交換・更衣介助・食事などの介助になります。
●病院・施設等へ送迎
介護タクシーを利用して利用者様を病院、施設へ送迎します。
寝たきりの状態などの場合は2人体制もありますが、基本的には1人体制で行います。
訪問先には自家用車がメインとなります。
エリアは一番遠い所で岩美町もありますが、ほとんどの利用者様が市内になります。
大切なのは信頼関係とコミュニケーション能力
利用者様に対しての対応です。
利用者様に信用してもらわないと僕らの仕事は何もできないので。
訪問介護の仕事はコミュニケーション能力の高い方だと利用者様との関係性も深くなれますが、低い方だとなかなか厳しいと思います。
この在宅支援という部分は、ヘルパーは行かさせていただいている状況なのでどちらかといえばアウェイなんです。
介護施設で働く場合は、介護施設はホームなんですよね。対応が全く真逆なんです。
訪問介護の場合、ニーズにそぐわない誤った言葉・口調を使うと、必ず苦情が入り、出入り禁止になってしまうことも。
なので言葉一つ一つ選んで、その人にあった対応をします。
主体は利用者様なので、対応もその方に合わせた対応になります。
大切なのは素直な気持ちでアドバイスが聞ける姿勢
やる気がある方と素直な方ですね。
アドバイスを素直に聞いてくれないとなかなかうまくいかない仕事だと思います。
「気づき」が大事な仕事なので、一人の利用者様に関して、少し状態を見ただけで、「今日調子悪いんじゃないかな」って、気づけるようになるんですよね。
例えば、利用者様の廊下を歩いてくる足音で調子の悪さも分かるので、すぐ病院につなげることもできたり、そういった部分で、「気づき」は大切だと思います。
気づきは利用者様と真剣に向き合っていけば、だんだんできるようになりますよ。
必要な資格は、介護職員初任者研修修了者でないとヘルパーの仕事はできませんので、介護職員初任者研修修了者以上になります。
後、利用者様のご自宅へは自家用車を使用しますので、普通自動車免許(AT限定可)も必要です。
コミュニケーションがしっかり取れて、素直な方で、上手にストレス発散できる方が向いていると思います。
メンタルケアが重要視されていている大変な仕事なので、自分でストレス発散の仕方が分かる方が向いていると思います。
スキルアップできる教育環境
一ヶ月に一回、各事業所で報告を兼ねて内部研修をしています。研修内容も事業所によって少し変えています。
後は、心肺蘇生などの講義は、消防署から受けています。
職員には、外部研修には最低でも年一回は行くようにしてもらっています。
もちろん、自分で行きたい研修を見つけて行ってきてもいいんですけどね。
例えば、介護の部分だけでなく、終活などの分野を学んでる職員もいます。
利用者様との話の中で、終活について聞かれた時に、アドバイスができるので介護だけの研修だけでなく、ニーズがあればそういった研修にも行っています。
足のマッサージとか、むくみ取りの方法など、なんでもいいんです。
研修は自分自身が学びたいことを学んでいただいています。
そういった外部研修にかかった費用は会社が負担しています。
パートさんなら、最低賃金にはなってしまいますが、時給は全部払っています。
頑張っていただきたいという気持ちで取り組んでいます。
介護職員実務者研修は取得していただきたく、必ず2年間は辞めない条件はありますが、全額負担しています。
その後の介護福祉士の国家試験だけは自己負担で受けてもらっています。
介護福祉士の試験に受かると手当もつけます。
介護福祉士の資格を持っているスタッフはもともと少なかったですが、こういったサポートの成果もあり、今は半分以上のスタッフが取得しています。
本当に大変な仕事ですが、その分やりがいのある仕事だと思うので、やる気のある方で、介護に思いのある方でしたら大丈夫だと思いますので、ぜひ一緒に働きましょう。
社員さんにも職場について聞いてみました!
今回は、2名の職員さんにお話しを伺うことができました。
一人目は入社5か月の介護タクシーを専門とされている田中道雄さん
現在男性は社長と田中さんの2名のようです。
こちらには1月より在籍しておりますが、前職の介護タクシーの仕事をしている時に、こちらの松山社長と知り合いになり、介護タクシーの仕事をしながら、こちらでヘルパーの仕事もさせていただいていて、その流れで、そのままこちらの会社に来させていただきました。
利用者様の支援で、どうしたらいいのだろうと悩んでも、社長をはじめ、サービス担当責任者・先輩方が真剣にどうすればいいのか?どうすれば利用者に様に納得してもらえるのか?一緒になって考え、解決してくれる職場です。
「タクシー業務でも、訪問時でも、利用者様が笑顔になって頂ける様、最大限努力する事」
とても難しい事ですが、実現したいと思っています。
基本的な仕事としては、訪問介護の業務をさせていただいている利用者様を介護タクシーでかかりつけの病院などへ送迎しています。
08:00 大覚寺事業所へ出社 仕事の準備をします。
08:30 介護タクシーで利用者様のご自宅にお迎えに上がり、病院へ送ります。
10:00 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
11:30 午前中に病院へお送りした利用者様をお迎えに行き、ご自宅まで送ります。
13:30 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
14:00 お昼休憩
16:00 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
18:00 退社
一日3~4件の支援と介護タクシーの送迎の仕事をしています。
二人目は国府事業所のサービス提供責任者をされている介護福祉士の福田由美子さんです。
国府事業所は福田さんを含め8人の職員さんが働いてらっしゃるとのことです。
以前勤めていた訪問介護の事業所が閉鎖になりまして困っていたところ、こちらの社長に声をかけていただきまして、以前一緒に働いていた仲間と一緒にこちらで働くことになりました。
4月に国府事業所を立ち上げていただいて、ようやく軌道にのったところです。
こじんまりした事業所なのでみんなの意見が聞きやすいです。共通理解ができ、伝達事項がまわりやすいと思います。
どうしても大きな事業所だと、上からトップダウンで決定事項が来ると思いますが、それとは違い意見が言いやすい事業所だと思います。
ヘルパーの仕事は利用者様の自宅へ行くので、秘密を守らないといけないし、利用者様が受け入れてくれないと仕事ができないので、自分に正直であるっていうことと、相手を思いやる事で仕事が成り立つと思います。
やっぱり、利用者様に信用してもらわないと、仕事ができませんので、時間を守る、利用者様のペースに合わせる、そういうことを大切にしています。
08:00 出社 訪問介護の準備をします。
08:30 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
10:00 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
12:00 昼休憩
13:00 事務の仕事
15:00 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
16:00 個人のお宅へ訪問介護として入らせていただきます。
18:00 退社
サービス提供責任者としての事務の仕事
ヘルパーと利用者様のスケジュール作成・シフト作成・ケアマネージャーに利用者様の状況報告・担当者会議への出席・介護訪問計画書の作成などがあります。
よく難しい仕事と言われることが多い訪問介護の仕事ですが、まずは一歩足を踏み入れて自分にできる事を見つけてほしいです。
利用者様の話しを傾聴し、援助させていただくという姿勢をもって、チャレンジして欲しいと思います。
今回インタビューをして、訪問介護の仕事は、利用者様との信頼関係が一番大切な事だと強く感じました。
松山社長とお話しをして、本当に職員さん達が会社の強みであり、社員さんの事もすごく信頼しておられる所を強く感じました。
また、職員さんからも、松山社長と一緒に、訪問介護の仕事をもっとよくしていきたいという熱い気持ちを感じることができ、利用者様との信頼関係はもちろん、働く側の信頼関係の強さも大切だと思いました。
訪問介護の仕事をされたい方、スキルアップされたい方にはいろんな知識・経験を学ぶことのできる良い環境だと思います。
この仕事は思いやりの心、変化に気づける力、コミュニケーション能力が身に付き、介護の場面だけでなく、人としての成長や、普段の生活でもとても大切な事がどんどん育つ仕事だと思いました。
取材を通して、皆さんが本当に明るく笑顔でインタビューに答えてくだっさったのが印象的でした。
社名:株式会社松山 訪問介護事業所「松のねっこ」
代表:松山哲平
所在地:〒680-0863 鳥取県鳥取市大覚寺174番地16
連絡先:電話 0857-30-6486 FAX 0857-30-6487
事業内容:訪問介護・介護タクシー
※2019.6.7時点の情報です。